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静岡家庭医養成プログラムが目指す家庭医とは

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研修・教育

私たちが目指す家庭医とは

静岡家庭医養成プログラムが目指す家庭医とは

1)米国家庭医療学会の目指す家庭医

現在の家庭医療の重要な要素

  • 継続的な癒しの関係
  • 全人的アプローチ(Whole person orientation)
  • 家族と地域を考慮に入れた展開(Family and community context)
  • 全科的な包括医療(Comprehensive care)

であるとされています。

このことを実現するには、家族ぐるみのかかりつけ医となって継続的にかかわり、医療のみでなく予防や福祉にも力を入れて、家族全員が健康を維持できるように支援することが必要です。
その為には、”子宮の中から天国まで”、すなわち、妊婦健診、分娩を含めたウィメンズヘルス、小児医療、思春期医療、成人医療、高齢者医療とほぼ全科診療がレベル高く出来ることが不可欠です。そして、予防接種、健診、健康教育等の予防活動(ヘルスメンテナンス)もでき、福祉サービスにも力を入れることが肝要です。

このときに図1に示すように、医療の質の保証(Quality Measures)患者満足度の高い医療の提供(Patient Experience)医療情報技術の活用(Health Information Technology)、診療所の機能整備と安定経営(Practice Organization)、を図り、診療所で"患者本位の癒しの場"を提供するように努めなければなりません。

以上が米国での家庭医療の理想的なあり方だとされています。(AAFP : American Academy of Family Physicians)

患者本位の癒しの場

2)静岡家庭医養成プログラムが目指す家庭医(静岡方式)

  1. 家庭医の守備範囲

    当プログラムはミシガン大学の協力も得て、米国家庭医療学会が目指す家庭医と同様に、“子宮の中から天国まで”、すなわち、妊婦、小児、思春期の患者、成人、高齢者の全てのニーズに応えられる家族ぐるみのかかりつけ医としての家庭医の養成を目指しています。その家庭医が予防活動(ヘルスメンテナンス)にも熱心で福祉サービスとの連携にも心を砕く事はもちろんのことです。
    この3年でこのような全科診療がレベル高く出来る家庭医が育ち、高齢医学のフェローになっています。

  2. 家庭医の存在価値、やり甲斐を高めるために

    全科診療がレベル高く出来る家庭医が住民の方々のみならず、行政や臓器別専門医からも高く評価され、やり甲斐のある家庭医療を実践出来るようにするために当プログラムでは以下の仕組みを構築しています。

    • 地域医療再生に貢献する

      当プログラムでは図2に示すように、成人・高齢者医療、在宅ケア以外に救急医療、小児医療、妊婦健診・分娩を含めたウィメンズヘルスもできる家庭医を育てています。
      したがって、救急医療の大きな負担が原因で疲弊している地域の中小病院(菊川市立総合病院:260床と公立森町病院:160床)の救急外来に家庭医療レジデントが加わることによって、レジデント自身は救急医療の研修ができ、両病院は医師の疲弊が減って病院が勢いを取り戻してきています。このようなことができるのも 菊川サイトおよび森町サイトで家庭医が、指導医も含めて約10人ずつで診療、教育をしているからです。(将来的には18人ずつになる予定です)

      グループで診療する家庭の守備範囲
    • 高齢者医療で中心的役割を果たす

      わが国は世界一の高齢社会を迎えようとしています。団塊世代が後期高齢者になる2025年頃は高齢化率は33%に達する予定です。
      このままでは要介護者と認知症患者が急激に増加する危険性があります。

      当プログラムでは、在宅療養支援診療所資格を取得して24時間365日体制の在宅医療を行って、地域の医療・福祉に貢献しています。
      しかし、今後急激に増加する要介護者や認知症患者を治療・ケアするだけでなく、図3に示すようにアクティビティーセンターを創設して、要介護、認知症の予防に力を入れる予定にしています。
      そうして、高齢者のAging well (生きがいを持ちながら健やかに老いる)、Aging in place(住み慣れた地域で最後まで)を実現出来るように多職種協働で支援します。これらの活動が地域には必要であり、結果的には家庭医の存在価値を高めると考えるからです。

      家庭医療センターは地域医療で不足分を保管する
  3. 静岡家庭医養成プログラムの家庭医がどのように評価されているか

    • 病院診療への貢献

      菊川サイトと森町サイト共に夜間救急当直に家庭医が加わり、入院患者の受持医になって両病院の疲弊を軽減させることに貢献しています。
      以下は菊川サイトのデータですが、2012年9月の時点で菊川病院の夜間救急外来の40%を午後の救急外来の60%を家庭医がカバーしています。内科病棟65床のうち、20%の患者を受け持っています。今では「家庭医は菊川病院になくてはならない存在だ」と高く評価されるようになりました。
      家庭医レジデントとしては、救急の研修、病棟の研修ができて、しかも親切に教えてもらえるので高い診療能力を獲得できています。

    • 家庭医療クリニックの地域医療への貢献

      森町サイトはクリニックが2011年12月1日にスタートし、現在徐々に患者数が増加しています。
      菊川サイトは2011年8月1日にクリニックが完成し、2012年11月現在平均89名/日で最高138名/日の患者数になっています。1~2年目のレジデントには患者一人一人の診療内容に対して指導(プリセプティング)をした上での数ですのでレベル高く保ちながらの診療と言えます。
      “子宮の中から天国まで”の言葉通り、妊婦健診から0歳児の健診、診療、そして100歳超の高齢者の診療、在宅ケアまでこなしています。

      住民の人たちからは、現在では三世代にわたって家族ぐるみで診てもらえる、丁寧で優しい、よく話を聞いてくれる等の評価をいただいています。その結果、外来患者の年齢構成は0歳から100歳超まで満遍なく一定の数が確保されており、家庭医の教育施設として申し分ない状況にあると言えます。

以上述べたように、静岡家庭医養成プログラムでは、グループで小児・産婦人科を含めた全科的診療をレベル高く行ってPCMHを創り、地域医療再生に貢献し高齢者医療で中心的役割を果たすことができる家庭医療専門医を養成します。